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「モノガタリは終わらない」 モノガタリプロジェクト


紹介文より  
『代日本を代表する作家たちが、「捨てない」をテーマに、モノの「これまで」と「これから」を豊かに描き上げたショートストーリー集。』


伊坂幸太郎  「いい人の手に渡れ!」
三浦しをん  「人間の友」
朝井リョウ  「吉凶の行方」
藤崎彩織    「RPGノート」
吉田修一    「0.8」
絲山秋子    「一人で二つ」
角田光代    「ボタンと使者」
吉本ばなな  「珊瑚のリング」
筒井康隆    「花魁櫛」
川上未映子  「初恋の」
岩井俊二    「消しゴム」
綿矢りさ    「封印箪笥」
金原ひとみ  「バタクランを越えて」
西川美和    「ブルース・フォー・ポーギー」
尾崎世界観  「バイバイ」
平野啓一郎  「天井裏の時計」
江國香織    「彼女の武装」
太田光      「がらくた」
水野良樹(清志まれ)「誰がために、鈴は鳴る」
恩田陸      「内緒」
山田詠美    「ジョーンズさんのスカート」


メルカリのツイッターで配信された小説をまとめた本だそうです。
最初の2作にフリマアプリが登場するのでずっとこんな風に続くのかと思ったら全然そうではありませんでした。
フリマアプリ2作のあとに読んだせいか朝井リョウさんの  「吉凶の行方」が印象に残りました。


2023/1/22  朝日新聞朝刊にこの本の紹介記事が載ってました。ちょうど読み終わったところでした。なんという奇遇でしょう。


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「僕の人生には事件が起きない」 岩井勇気


この本を読むきっかけは多分どこかの書評だと思います。
漫才コンビ「ハライチ」のネタ担当ということでそれなりの文章は書かれるのだろうな、とは思ってました。
相方の澤辺さんはバラエティ番組をあんまりみない私でも時折テレビでみかけるので岩井さんはどうされてるんだろう?と思っていたらこの本の「はじめに」にそのことを書かれていてご自分のことをきっちり分析されておられて「ほぉ~!」と思いました。
シニカルなイメージをくずすことはないけれど繊細さも垣間見えておもしろかったです。

1人では食事ができないそうで少し意外でした。




第2弾も出版されていたので続けて読みました。

「どうやら僕の日常生活はまちがっている」 岩井勇気

1冊目ほどのインパクトはなくてちょっと私の方が慣れてしまったかな?

そうこうしていたバラエティ番組の司会をコンビでされるようになってるようでいよいよ表舞台に登場です。


箱根駅伝関連の本

以前の私自身のブログから箱根駅伝関連の本のブログを抜き出しました。


風が強く吹いている
作者: 三浦しをん
出版社/メーカー: 新潮社
発売日: 2006/09/21
メディア: 単行本

陸上部があるかないかわからないくらいの大学でひょんなことから全然走ることに縁のなかった大学生達が箱根駅伝をめざすという物語です。


映画「風が強く吹いている」もこの本を読んでしばらくしてから観ました。原作のイメージが強すぎてみるのを避けていたのですが少し時間が経てば意外とすっと観られる事も多いのです。
期待していなかったせいか映画もなかなかよかったと記憶しています。

出版社/メーカー: バンダイビジュアル
発売日: 2010/04/09
メディア: DVD



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作者: 堂場 瞬一
出版社/メーカー: 実業之日本社
発売日: 2010/12/04
メディア: 文庫

箱根駅伝の学連選抜で出場するチームのお話です。

続編が出ているのを知りました。


チームII (実業之日本社文庫)
作者: 堂場 瞬一
出版社/メーカー: 実業之日本社
発売日: 2015/10/03
メディア: 文庫


チームIII
作者: 堂場 瞬一
出版社/メーカー: 実業之日本社
発売日: 2020/03/09
メディア: 単行本(ソフトカバー)

また機会があったら読みたいと思います。


「負けんとき」 上・下 玉岡かおる



負けんとき〈上巻〉―ヴォーリズ満喜子の種まく日々負けんとき〈上巻〉―ヴォーリズ満喜子の種まく日々
(2011/11)
玉岡 かおる

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負けんとき〈下巻〉―ヴォーリズ満喜子の種まく日々負けんとき〈下巻〉―ヴォーリズ満喜子の種まく日々
(2011/11)
玉岡 かおる

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日本では建築家として有名なメレル・ヴォーリズ。

その妻 一柳(ひとつやなぎ)満喜子の生涯を描いた小説です。

小説とはいえ、実在の人物なのである程度の事実に基づいて描かれているのだと思います。

明治の初期にはまだ身分制度が残っていたのですね。

身分違いの結婚は許されず、結婚しないと家の恥とされていたようです。

学校ですら身分相応の学校に入学するのが一般的だったとは知りませんでした。

そんな社会の中で一人の女性が人間的に生きるにはなかなか苦労の多い時代だったことだと思います。



ヴォーリズと満喜子のツーショットの写真が上下巻にそれぞれ載っています。

小説では「大きな見開いた目」と形容されていますがむしろ年齢を経た写真の方が鋭い眼光の印象を受けました。

下巻の写真ではヴォーリズが満喜子に寄り添っているのが微笑ましいです。



この時代は、まだ一夫一婦制度でもなかったのかと改めて時代の重苦しさを感じました。

そのためにどれだけの女性が悩み苦しんだことでしょう。

お互いに思いを寄せていても身分の違いで結婚が許されずそれを吹っ切るためにアメリカへ向かいます。

上巻はここで終わります。



そして下巻へ。

満喜子については全く予備知識がなかったのでこの下巻で記された彼女の生き様に呆然とした、というのはオーバーでしょうか。

ヴォーリズと再会して障害を乗り越えて国際結婚して共に歩みます。

その歩み方がすごいし、それをまた見守るヴォーリズも凄いです。

少し横道にそれますが子どもながらに家にある「メンソレータム」という薬の会社が「近江兄弟社」という変わった名前に凄く興味を持っていました。

そしてその会社に学校があることを知りこれまた興味深かったのです。

でもそれは学校が先にあり、メンソレータムの販売はあくまでも資金源として存在していたのであって会社に学校があったのではないということをこの本で知りました。

ヴォーリズについても上っ面の知識しかなくて近江兄弟社の創始者とは知らなかったのは少し恥ずかしい思いです。

その学校運営に熱心に携わったのがこの満喜子だったのです。

華族である満喜子、そして子どもを生んでいないということが彼女の評価を左右することが何度もあったようです。

それにしても強い。

戦時中は軽井沢に幽閉されていたことも知りました。

そこでも満喜子は子ども達を集めて勉強する場所を作ります。

特に女子の教育については確固たる思いがあったのが伺えます。



そして最後の方に少し記されていたこと。

それはマッカッサーに天皇についての日本人の意識を助言したということ。

「The symbol of the nation」





「負けんとき」

大阪の商人には「勝たずに相手に花を持たせる。でも負けない。」そういう思想があったのですね。

大同生命の創始者、廣岡浅子という人物も初めて知りました。

日本女子大の創立発起人でもあるそうです。

大阪にはこんな凄い女性がいたのかと・・・。

浅子が満喜子に助言したことば。それが「負けんとき」です。



「負けんとき」という言葉に満喜子はきっと何度も勇気を得たのだと思います。



図書館ではたくさん予約がついていてなかなか借りられなかったのですがAmazonでのレビューが1件であんまりいい感想を述べられていなくてちょっと残念でした。

それぞれ読む人によって評価はいろいろなんで仕方ないです。



箱根駅伝といえば・・・

箱根駅伝のファンではありませんが結果は気になります。
今年の箱根駅伝は日体大が総合優勝。昨年は19位で予選からの出場なのでとても奮起されたようで頑張ったんですね。
昨年総合優勝の東洋大は「山の神」柏原選手がいないながらも2位でしたがそれでも1位との差が5分近くもあり、「完敗」とのコメントを出されてましたね。





チームチーム
(2008/10/17)
堂場 瞬一

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前置きが長くなりましたが箱根駅伝の学連選抜で出場するチームのお話です。
学連選抜については詳しく知りませんでした。

10校がシード権を得るのですが残り10校が予選で選ばれそれにも洩れた11校目の大学の監督が学連選抜の監督となり、12、13校目の監督がコーチとなるそうです。
そして箱根駅伝に出場しない大学で成績の良かった学生が選ばれます。

監督がその選抜選手をどの区間で走らせるか決めるのですがやはりその監督の腕の見せ所?でもあるかもしれないです。
ただ、箱根駅伝に出場する大学は練習によって各々の大学の歴史や伝統を背負って「襷をつなぐ」ために結束力を高めていきますたが、なにせその時だけの寄せ集めの選手だからそういう感覚はないですからそのあたりの結束力を高めるのが難しそうです。


そんなチームをどのように率いていくのかそしてその走りはどうだったのか?

駅伝を見たことがある方なら楽しめると思います。





箱根駅伝の小説は三浦しをんさんも書いておられます。


風が強く吹いている風が強く吹いている
(2006/09/21)
三浦 しをん

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陸上部があるかないかわからないくらいの大学でひょんなことから全然走ることに縁のなかった大学生達が箱根駅伝をめざすという物語です。


その箱根駅伝にはこうして参加するのか、とか練習などとても興味深かったです。

そのコースの様子についてはずいぶんと調べられたのでしょう。

そして走っている間に各々の気持ちの描写がありそれぞれの思いが伝わってきます。

走ることに才能のある人、もしくは走るのが好きな人には独特の快感があるのだなぁ、と、なんとなくわかったような気がしました。私には一生感じることができないだろうけれど。

弱小チームが箱根駅伝に参加してどんな結果を残すのかとハラハラ、ドキドキでした。
10人の選手でそれぞれ個性がありおもしろかったです。
双子がキャラクターに入ってるところがまたユニークでちょっとしたポイントでもあります。


これは映画化もされています。
公開された折には本の印象が強すぎて映画は観ない方がいいかと思ってみませんでした。

最近観る機会がありましたがなかなか良かったです。


このチームを率いる「清瀬灰二」は冷静で落ち着いているのでとても大学生には感じられず、私の勝手なイメージでは30代のおっさんの雰囲気なのですがこの役を小出恵介さんがされてました。それなりに雰囲気が出てました。

「蔵原走」役は「バッテリー」で主演した林遣都くん。

双子の役は斉藤慶太、斉藤祥太兄弟。なるほど。



青春物語です。若いっていいなぁ・・・なんて思ってしまいました。

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